6) 通貨ペアの特徴 「豪ドル/米ドル」
豪ドルはローカルなマイナー・カレンシー
オーストラリアの通貨・豪ドルはローカル・カレンシーである そのため基本はユーロ/米ドル、ポンド/米ドルのようなメジャー・カレンシーと同じように動きますが、時として異なる動きを見せることがあります。
それは2008年から2009年にかけてのチャートを見ると良くわかります。 ユーロ/米ドル、ポンド/米ドルといったメジャー・カレンシーのチャートと豪ドル/米ドルのチャートは良く似た形をしています。
ただ細かく見ると異なる点が見つかります。 例えばユーロ/米ドル、ポンド/米ドルは2008年夏につけた高値水準まで戻していませんが、豪ドル/米ドルはほぼ高値水準まで戻しているというようなところです。
市場参加者が少なく過度に動く
豪ドル/米ドルも含めたマイナー・カレンシーの特徴は「過度に動く傾向が強い」こと。 その最大の理由は「市場参加者の少なさ」にあります。 大量の注文が出た時にマーケットが吸収しきれずに過度な値動きになるのです。
逆にマーケットの取引が薄く凪の状態のときは、一層に静かになってしまいます。 米ドル/円であれば凪の時でも50銭くらいは動くものですが、豪ドル/米ドルはほとんど動かなくなります。
世界の大手銀行はローカル・カレンシーを積極的には扱いません。 特に体制が手薄になる休日などは、世界の大手銀行がオーストラリアの銀行にリーブ・オーダー(指値注文)を預けるために、世界中のオーダーがオーストラリアの銀行に集中する現象が起こります。
そこへ巨大な機関投資家や自動車会社のような輸出企業が大口のオーダーを入れると、値動きを堰き止めてしまいます。 例えばドルが下落している状況では、豪ドル/米ドルは上昇していくはず。
その時、一定の水準に大量の売りオーダーがあると、そこが「堅い蓋」となって突き破れず動かなくなるというわけです。
高金利通貨だがあえて選ぶ理由はない
冒頭で解説したように豪ドル/米ドルは米ドルの流れに沿って、メジャー・カレンシーと同じ方向に動いています。 であれば個人投資家がわざわざマイナー・カレンシーを選んで取引する必要は無いと思います。 豪ドルは相対的に高金利なところが人気です。
でもそれはインフレ率が相対的に高いとか、高金利を提示しなければ投資してもらえない経済状態にあるということを認識しておきましょう。
豪ドル/米ドルでもチャート分析は有効ですが、先に挙げた理由からマーケットが歪められることがあるために、メジャー・カレンシーほどではありません。
取引に当たってはオーストラリアの経済指標や、オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀(RBA)の金融政策のチェックは欠かせません。 ただメジャー・カレンシーに比べて情報量が少ないことは覚悟しておきましょう。
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「豪ドル/米ドル」2012年4月18日 | コメントは受け付けていません。|
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