必読!ポートフォリオ主義

「数学の理論」を投資の場で応用できないか考えるのは自然なことなのかもしれません。


机上の理論を現実の世界に応用しようというのは科学者なら誰でも考えることだと思います。これがお金を増やす方法とくれば、天才が見逃すわけがありません。

本書に登場する天才数学者たちも、数学の理論を現実の世界に応用しようとして、ギャンブルで勝つ理論や投資でリスクをおさえて儲けを多くする方法などを考え出しています。

どの理論も誰にでも利用可能な実用的な理論ではないと思いますが、ポートフォリオの話などは一部参考になりました。

長期的に見ると市場が効率的であるということに議論の余地はなさそうですが、短期的に見ると非効率な部分が多くありそうです。そして株価がランダムウォークするということも誰もが認めることのようです。

非効率な短期的変動に対してどの程度、どうやってつけこむかが儲けるポイントなのだと思います。ジョン・L・ケリー2世さんが考えたケリー基準という理論がありますが、これは今なすべきことは関係ない。

ポートフォリオにもそれが言える。今の時点でなしうる最善のことは、現在の平均、分散などの頭頚数学から計算して、結果の確率分布の幾何平均が最高になるポートフォリオを選ぶことだけである。自分の投資のリターンと変動のしかたは、時間とともに変わる。その変化にしたがってポートフォリオを修正すればよい。

この場合も、幾何平均を最大にすることだけが目標となる。

という考え方にもとづくものです。クロード・シャノンさんという数学者が考えたシャノン方式という方法があります。これはケリー基準の特殊な型ですが、「定率再配分ポートフォリオ」とも呼ばれます。

例えば、最初の資金が1000ドルあったとして、500ドルは株、500ドルは現金にするとします。初日に株価が半分になったとすると、これにより持っている資産は株が250ドル、現金が500ドルになります。ここでポートフォリオを現金から125ドルとって、株に変えます。

こうして375ドルの現金と375ドルの株という風につりあいを回復させるのです。これを繰り返していきます。翌日、株価が2倍になったとします。そうすると、現金375ドル、株750ドルとなりトータルで1125ドルになります。

このような操作を続けていくことでポートフォリオの配分をこまめに変え、全体として資産を増やすというのがシャノン方式、定率再配分ポートフォリオです。

驚くことに過去30年での投資による平均リターンはウォーレンバフェットさんが27%に対し、シャノンさんはそれを上回る28%だったそうです。数学的な投資理論を考えついたシャノンさんなので、過去の値動きを分析して未来の値動きを
予想するテクニカル分析を行っていたのかと思いきや、実際に彼が行っていた投資法というのは、バフェットさんと同じで会社の経営や製品に対する将来の需要を評価して買うファンダメンタル投資だったようです。

本書ではそのポートフォリオの一部が公開されていますが、ヒュレットパッカードのような今となっては世界的な大企業に成長している企業の株式を長期保有していたことが分かります。

個人の投資に数学的な理論を取り入れるのは難しいと思いますが、ポートフォリオを定期的に見直すことはやはり大切なようです。

また、本書を参考にすると、結局テクニカル分析よりもファンダメンタル分析を重視した方がよさそうだと感じました。少しでもファンダメンタルを読み解けるように勉強を続けていきたいと思います。

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2012年5月18日 | コメントは受け付けていません。|

カテゴリー:◆ポートフォリオ主義

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